東京近郊で見られる「ロックフィルダム」

★東京都は、小笠原父島八ツ瀬川の時雨ダム

★神奈川県は、境川の本沢ダムと酒匂川水系河内川の三保ダム

★埼玉県は、荒川水系有間川の有間ダム

★千葉県は、小磯川の元名ダム

の5ケ所しかない。(日本全国では313ケ所)2020.7現在

 

★今回は、東京の多摩地区から近く、手軽に行ける埼玉県飯能市大字名栗にある「有間ダム」を紹介します。

★ロックフィルダムとは

砂礫、土、ロック(岩石)を盛り立てて造るダムをフィルダムというが、そのロックが半分以上を占めるものをロックフィルダムという。遮水機能を果たす部分が堤体の上流部にある表面遮水型と堤体の内部にあるゾーン型に大別される。

 

★有間ダムの諸元

河 川 名:荒川水系入間川右支川有間川

位   置 :埼玉県飯能市大字下名栗

ダム湖名 :名栗湖

型   式:中央土質遮水型ロックフィルダム

堤   高:83.5m

堤 頂 長:260m

堤 頂 幅:10m

常時満水位:標高311.1m

総貯水容量:7,600,000㎥

 

 

★中央遮水型ロックフィルダムとは

ロックフィルダムの基本形ともいえる形式。世界的に見てもロックフィルダムの大多数はこの型式で施工されている。主に粘土質で形成されるコア材の位置によって更に分類される。一つはコア部が基礎岩盤より垂直に建設されている型式で、中央土質遮水壁型ロックフィルダム(またはセンターコア型フィルダム)と呼ばれる。ロックフィルダムの中でも安定性に優れており、地震や降水量の多い日本のロックフィルダムの大部分はこの方式である。

ロックフィルダム内の構造

★有間ダム

飯能から西へ入間川沿いに車を走らせると名栗地区に入り、日帰り入浴施設「さわらびの湯」と「有間ダム」に着く。湖を囲む山並みが美しい。ツーリング客にも人気のスポット。湖畔にはカヌー製作や試乗体験が出来る「名栗カヌー工房」や休憩処の「レイクサイドテラス名栗湖」がある。

このさわらびの湯を起点に「棒の折山」登山も楽しまれている。

ダム堤頂通路に車を停めて名栗湖を眺めると風に吹かれるのも心地よく、また、外周はドライブが出来、湖の色の変化を楽しむことが出来ます。名栗湖から上流へ道を進めば、有間渓谷観光釣り場があり、バーベキューとあわせて釣りが楽しめる。一回りした後は、「さわらびの湯」に入って一汗流しては如何でしょうか!

さわらびの湯(天然温泉)

有間ダムは、昭和57年(1982)に土木学会賞を受賞している。一般的なダムは、大きな滑り台を使って水を流す方式ですが、このダムは、山中にトンネルを掘ってその中に水を流します。トンネルを安全に作る設計や技術が賞の受与に繋がった。

ダム堰堤前部

ダム本体堰堤部

ダム堰堤湖側

トンネル部に流す取水口

★名栗湖

有間川に設置された有間ダムによって誕生したダム湖。有間ダムは昭和61年(1986)に完成した多目的ダム。埼玉県営第1号ダムである。

ダム湖全体

※参考資料

1、wikipedia他インターネットの各種情報

2、ダム便覧「埼玉県有間ダム」

2、埼玉県有間ダムの諸元