磯沼ミルクファーム~エコフィードで元気に育つ牛達とジャージーミルクの美味しいヨーグルト~

             

例年にない猛暑が続くなか、八王子市小比企町・京王線の山田駅の近くにある「磯沼ミルクファーム」という牧場を訪ねました。

牛80頭を飼育しているという牛舎で、今年の春から牛の世話をしている若い飼育員さんからお話しを聞くことが出来ました。子どもの頃から動物好きだったという飼育員さんは、瑞穂町にある都立瑞穂農芸高校を卒業後更に酪農について学ぶうちに牛に魅了され、この道を選んだそうです。

磯沼ミルクファーム入口(写真はクリックすると拡大します)

磯沼ミルクファーム

今から70年程前に、北海道からやって来たホルスタイン1頭からスタートしたこの牧場には現在ホルスタインの他ジャージー、ブラウンスイス、エアーシャー、モンペリアルド、ミルキングショートホーンという6種類・80頭の牛が放牧されています。さらにガンジー種も飼育し、7種の牛のお乳を合わせた牛乳を生産したいというのが牧場主さんの夢のようです。現在、40頭の牛から乳を搾り、その乳は牛乳としては「東京牛乳」の中にミックスされ、乳脂肪分が高く、クリーミーなジャージー種の乳は牛舎の隣にある世界で1番小さいという工場でヨーグルト等の乳製品に加工されています。

牧場の特徴として、牛の飼料に食品工場から出る野菜や果物をエコフィードとして活用し、干し草と混ぜて自然のビタミンやミネラルを取れるようにしています。水分を多く含む生野菜ということもあり、牛が食べ残すと腐敗という問題もありますが、牛糞の堆肥を農家に利用して貰うという相互の利益を考えたシステムになっています。この牛糞堆肥もまた近くの工場の産業廃棄物となるカカオ殻、コーヒー粕を牛糞に混ぜて作ったもので牛糞堆肥・「牛之助」の名で販売され、利用されています。またコーヒー粕はうしの寝床に敷かれて、その消臭効果で寝床は良いコンディションを保っています。牛の肌はツヤツヤしていましたが、その寝床で体を擦り磨いているようです。

牛舎

牛舎内の牛達

飼育員さんお気に入りの「サイ」ちゃん

TOKYO FARM VILLAGE

牛舎の裏側の坂道を登って行くと、途中の牧草地帯に自由に動いている牛や羊がみえました。

放牧地の牛①
放牧地の牛②
放牧地の牛③
放牧地の牛④

坂道を登りきると八王子の街を見下ろせる丘にカフェレストラン「TOKYO FARM VILLAGE」が建っています。暑い日でしたが、なかなかの賑わいで1時間待ちで食事をしました。店内では、下の工場で作られたヨーグルト、プリンの他にケーキ、ホルスタイン、ジャージーの牛型のクッキーも並んでいました。ヨーグルトには3つの種類がありましたが、その中から「ジャージープレミアムヨーグルト」を求めました。これは1頭の牛のお乳だけを使用したもので、その牛の名前が付いています。この日の名前は「ミワ」でした。牛舎で会った「ミワ」ちゃんです。他の2種類は牧場にいる牛のお乳を集めて作ったその名も「オールスターヨーグルト」と濃厚なジャージーミルクを一晩寝かし上部に溜まった濃い生乳だけを使用したという「天使のほほえみヨーグルト」でした。

商品には「かあさん牛のおくりもの」というタイトルが付いていますが、それは「「赤ちゃんを丈夫に育てたい」というかあさん牛の愛情が、ミルクを栄養たっぷりな「命のおくりもの」として私たち人間にも与えてくれました」という生産者の想いです。

丘の上の牧草地

丘の上のカフェレストラン

「かあさん牛のおくりもの ジャージープレミアムヨーグルト」

「ミワ」
牛舎のなかの「ミワ」ちゃん

「ジャージープレミアムヨーグルト・ミワ」は翌日の朝食に食べましたが、濃厚できめ細やかなチーズに近い感じのヨーグルトでした。「ミワちゃん、ありがとう。」

参考:磯沼ミルクファームパンフレット