早朝の薬師池公園、大賀蓮をみて荷葉杯(かようはい)をいただく

蓮池を歩く

町田の薬師池公園の大賀蓮は、蓮池の中に木の橋がつくられているので、花を見ながら巡れるようになっている。幾分涼しさのある早朝の蓮池で見る花は、葉の色と赤みがかった薄紫色の対比の中で、咲く移り変わりをあちこちに見せて、清々しさが感じらせた。

クイックで大きく見られます(以下同じ)
薬師池公園周辺案内図 薬師池パンフレットより

観蓮会

見事な花がたくさん咲くので、7月末ぐらいから多くの人が訪れる。特に蓮の葉に注ぐ酒や茶を、茎を通して飲む観蓮会(かんれんかい)が開かれる日は、早朝(6時前)から長蛇の列ができる。ここでは荷葉酒、荷葉茶と呼ぶお酒とお茶を飲める人は、44回目の今年は100人まで、運よく滑り込んで開始(7時)の時間待ちをする。

開始待ち

荷葉杯

葉の中心部の白くなっているところに細い棒などで穴をあけ、茎の中の空気の通り道をとおして飲む。そもそもは中国古代(紀元3世紀頃)に、葉に注いだ酒を茎から回し飲み、暑気払いとして楽しんだようだ。他人でも茎を切って次へ回すので大丈夫。

もともとは碧筩杯(へきとうはい)と名付けられたが、飲む時の様子が、像が鼻を上げている姿に似ているところから象鼻杯(ぞうびはい)と呼ばれるようになった。また、荷葉杯とも言う。各地の蓮のある庭園などでは季節のイベントとして行われているようだ。

車で来たので酒は断念、荷葉茶の列へ、一人一本の葉が用意されていて飲んだ後は持ち帰り自由。冷えた麦茶が葉に注がれてストローよろしく吸い込む、結構強く吸わないと出てこなかった。お味のほうは、アルコールに溶け出してこそ分かるものかもしれない、お茶の味で終わってしまった。この会には無いが、別にお酒に蓮の茎を浸けた蓮酒でいただく方法もあるらしく機会があれば味を楽しみたい。

手前がお茶、奥がお酒

俵万智のエッセイ集「百人一酒」で象鼻杯が書かれている。

ああ、象鼻杯。今や私の頭の中には、蓮の葉がびっしり詰まっている。来年の夏には、ぜひチューチューしてみたい