モズの「はやにえ」に関して新しい見解が示された‼

休日を利用してカメラ片手に野鳥観察、撮影に出かけた。数種類の野鳥が撮れ,その中にモズが撮れた。モズというと「はやにえ」が知られているがどのようなことなのか詳しい習性を調べてみた。
     〖モズの雄・・・(株)永岡書店発行、野鳥より〗

◎モズの“はやにえ”とは・・・
モズは秋から冬の初めころに、捕らえた獲物を小枝や棘に刺したり、木の股に引っ掛けたままにする習性がある。これをモズの“はやにえ”という。“はやにえ”の対象になるものとしてバッタなどの昆虫類、カエル、トカゲ等々があり、非情な野鳥と思われがちであるが、モズからすると冬季の食料を貯えて置く手段である。
     〖はやにえのイラスト 神戸野鳥観察記より〗

この“はやにえ”について新しい見解が発表され、その概要とは、
【2019年5月、大阪市大と北大の共同研究によると、“はやにえ”をたくさん食べたオスほど繁殖期のさえずりの質が高まり周囲によく響くことが判明した。この結果、つがい相手を獲得しやすくなったという。このことは、オスの“はやにえ”が配偶者獲得で重要な囀りの魅力を高める栄養食として機能していることを示しているという】

従来から言い伝えられている仮説が下記のごとくある。
・冬季の食料保存食
気温の低い時期は、はやにえの消費量が多く冬季の食料不足を補うものと考えられている。
・食するために固定する説
モズは、獲物を足で押さえて食べることが不得手のため、小枝や棘に刺して獲物を固定する手段と考えられている。
・本能の習性説
モズは空腹、満腹に関係なく獲物を見ると、本能的に捕える習性があり、捕らえた獲物を突き刺して空腹であれば食べ、満腹ならば残す。
・残り物説
体が小さいため獲物を固定し引きちぎって食べが、その最中に異変を察知して獲物をそのままにして飛び去ってしまった残り物説。
◎モズってどんな鳥・・・
・モズの特徴
全長20㎝位で頭部が大きく、嘴が太くかぎ状である。尾羽は長く、ゆっくり回すように動かす。平地の集落周辺の林や農耕地、河原、公園などにむ。メジロ、ホオジロ、シジュウカラなどの色々な鳥の鳴き声を真似ることができる。このことは、メスを引き付ける役割があるという。秋になると、雌雄別々に縄張りを持つ習性がある。
     〖モズの雌・・・片倉城址公園にて撮影〗            
・モズの高鳴き
秋になると、キーキィーキィキィと鳴き、これをモズの高鳴きという。10~11月にかけて見られるモズの生態でオス、メスとも激しい鳴き声を出す。これは冬を越すための縄張り争いで、縄張りを確保した後は単独で冬を越す。又、「モズの高鳴き75日」という諺があり、モズの高鳴きを聞いて75日目に霜が降りるとして農作業の目安となっている。
・モズの求愛ダンス
春になるとオスの縄張りにメスがやってくる。求愛給餌といってオスは自分の縄張りに入ってきたメスに求愛の囀りとダンスを披露したり餌をあげる。メスはオスを品定めをして気に入らなければ飛び去ってしまう。オスは次のメスがやってくるまで待つしかない。

参考書物
・ウイキペディア
・野鳥  監修者、真木広造 発行所、(株)永岡書店