ブルーベリー畑に通った夏、青木葉地区を巡る

7、8月はブルーベリーを求めて、自宅からさほど遠くない直売所に通った。高台にある多摩中央公園の東側、坂を下った青木葉地区にブルーベリー畑がある。青木葉は、新編武蔵風土記稿(以下「風土記」という。)に記されている古い地域名だ。古えには、南北に国府への往還が通っていたところでもある。

青木葉地区  黄色の線は青木葉通り    openstreetmap

ここのブルーベリーは市販よりも安く新鮮なので、夏場の収穫期に週1、2回買い求め、我が家の朝食を彩っている。9月上旬までは楽しめそうだ。

生食用ブルーベリー

高台にある多摩中央図書館前のコナラやクヌギの林の中、階段を降りもう一度左へ折れるとブルーベリー畑が見えてくる。途中、蝉の声を浴びて降りていく。ジー・ジリジリとアブラゼミ、チーと高音のニイニイゼミこの2種は翅が透明でないからなんとか見つけるが、シャーシャーと鳴くクマゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミは翅が透明なので見つけにくい。これらが一斉に鳴ている。

図書館前の下り階段

直売所で、もいだばかりの胡瓜も一緒に買って、近くを散歩する。直売所から北へ少し進むと左手に公園に向かう登り階段がある。

右側のブルーベリー畑

ジャム用ブルーベリーと野菜

登った突き当りに、連光寺で代々名主を務めた旧富澤家の当時の建物が移築され、無料開放されている。明治14年(1881)から明治天皇はじめ皇族方が数回兎狩りの時に御小休所として使用された。

旧富澤家

さらに下り坂を進んで行くと、グリーンライブセンターが右手に見える。多摩市と恵泉女学園大学それにグリーンボランティア三者で管理運営し、草花、植物の相談や各種講座を開催している。温室やガーデンを備え、バラの種類が豊富で見応えがある。また、奥まったところでは野草が植えてあり、四季折々にゆっくり過ごしたい場所だ。

グリーンライブセンター正面 三角屋根は温室

内部のガーデン

ミルクブッシュ

ツンべルキア

サンリオピューロランドに向かって、レンガ仕様の陸橋を渡るとすぐに、多摩美術大学美術館がセンス良く建っている。西新宿のオペラシティ街区の地権者の一人として、またオペラシティアートギャラリー設置に深くかかわった、寺田小太郎のコレクションを展示している。主に抽象画の作品だが撮影禁止なので残念。

多摩美術大学美術館

陸橋下の道路を横切り、白山神社の階段下に進む、風土記には落合村の鎮守で、棟札に元和4年(1618)円能法師とあり、この時の勧請ではないかと記している。口碑ではこの時の再建と伝えている。昭和58年(1983)ニュータウン建設にともなって境内地の整備がなされた。平成24年(2012)1月にJリーグ東京ヴェルディがシーズンの必勝祈願を行った。

白山神社

別当寺であった東福寺は隣にある。風土記によれば、慶長(1596~1615)のころ、今の唐木田駅付近にあった寺をここに移し、草創は元和年中(1615~1624)であり、青木山と号し落合山とも呼んでいると記している。境内には、唐木田の横倉与兵衛が江戸時代に寄進した宝篋印塔(ほうきょういんとう)と子育地蔵がある。多摩八十八か所霊場の十三番札所となっている。

東福寺

白山神社と東福寺は青木葉集落の谷戸入り口付近に当たる。白山神社の北側から青木葉通り沿いに南へ小字名を見ると、豊ヶ丘、鶴ヶ峰、亀ケ谷、青木葉、宝野といった縁起のいい名が並ぶ。今は、落合○○丁目と味気ない。

この通りは南に向かって登り勾配となっている。街路樹はベニバナトチノキが植えられて、美しい赤い花を5、6月頃に咲かせる。今頃になると歩道上には、ピンポン玉を一回り大きくしたような茶色の実がたくさん落ちている。

ブルーベリー畑付近の青木葉通り 北側を見る

ブルーベリー畑と青木葉通りをはさんで反対側に、洋菓子のグランクリュがある。テレビ番組「アド街ック天国」お勧めのロールケーキを買って帰ることにする。

グランクリュ