ラクウショウの不思議な気根!

片倉城址公園の入り口近くに池がある。この池の周りに「ラクウショウ」という名の樹木が植栽されており緑色の葉が心地よく、木陰が池を覆っている。このラクウショウとよく似たメタセコイアも植栽されている。

ラクウショウの根元に視線を落としてみると不思議な形の「気根」というものが、たくさん出ている。地中からモコモコ・ニョキニョキと根の周りが賑やかであり、ユーモラスな形で地上を這っているようで暫し立ち尽くしてしまった。
       ≪恐竜が地上を這っているような気根の形≫

≪【井の頭公園へ行くと、もっと大きい仲間(気根)を見ることができるよ】と右下の大きな気根がささやいた⁉ので井の頭公園へ行ってみた。≫

井の頭公園の「ひょうたん池」の周りには、ラクウショウの大木が植栽されていた。根元の周りには、まるで鍾乳洞の鍾乳石を連想させるような形態の気根が多数、眼に飛び込んできた。
片倉城址公園の気根と比べると、全体的に大きい気根が地上に出ていた!
  ≪片倉城址公園の気根よりも大きい気根・・・仙人一家のように見えた≫

     ≪こちらは、名も無き宇宙人と動物園のカバとのコラボ??≫

ラクウショウは北アメリカ東南部からメキシコに分布し、科名スギ科・属名ヌマスギの落葉針葉樹である。樹高は50mを超える大木になり、落葉針葉樹という種類が少ない珍しい植物である。日本には明治20~30年頃に輸入され公園などで見れれる。別名を「ヌマスギ」というように湿地や沼地でも成長するための「術」を持っている。その術とは「気根を出す」ということ。
根は地中にあって植物体の地上部を支えて、地中の水分を吸収し養分を貯蔵する働きがある。この地中の根が地上に出てきたものを「気根」という。ラクウショウの気根は、湿地に根を張っている根に成長に必要な酸素を供給するという役割を持っている。
ラクウショウは漢字表示では「落羽松」と表わす。この理由は、秋になると紅葉(黄葉)し、2列に並んでいる葉が鳥の羽のように舞い落ちる様子から付けられた。ラクウショウの実は2~3㎝程の丸い形をしており松脂のような香りを放つ。又、木材としての価値も高く、油分も適度にあり耐久性に長けている。このため建築材、造船材、土木材など用途は広い。
又、ラクウショウによく似た樹木にメタセコイアがあるが、葉の違いを見ると簡単に判別することができる。ラクウショウの葉は互生(枝に対して互い違いに付いている)に対して、メタセコイアは対生(枝に対して向い合わせに付いている)である。
            ≪ラクウショウの互生の葉≫

            ≪メタセコイアは対生の葉≫

 

 

 

 

 

≪ラクウショウの実                    メタセコイアの実≫

参考資料
・八王子市公式ホームページ
・井の頭恩賜公園ホームページ
・ウイキペディア