「東福寺」(笛継観音)と小宮町に残る「粟ノ須村」の跡

皆さん、こんにちは。

新型コロナウィルスの緊急事態宣言が解除されましたが、「新たな日常」のなかまだまだ自粛生活が続きそうですね。自粛生活での運動不足を解消するために時々散歩に出かけています。散歩の途中お寺や神社をよく見かけますので、つい立ち寄りどんな縁起があるのかな?と気にしつつ、コロナ収束を願いお祈りしています。私の住まいに一番近いところでは 、JrR八高線の小宮駅の近く、多摩大橋通り沿いに「東福寺」というお寺があります。

東福寺」は如意山と号す天台宗のお寺です。このお寺には「笛継観音」(十一面観音)を祀った観音堂がありますが、この観音様には次のようないわれがあります。

「滝山城主北条氏照の家臣で横笛の名手淺尾彦兵衞は氏照から預かっていた秘蔵の横笛をある時、過って割ってしまいました。なんとかしなくてはと焦った彦兵衞は村の観音様に祈願しました。すると割れた笛は元通りに戻ったそうです。それからこの観音様は「笛継観音」とよばれるようになりました」

 

 

 

 

 

東福寺のある小宮町は八王子市の北東部に位置し日野市と隣接し、東に谷地川、北に多摩川が流れています。江戸時代の大和田村、北大谷村、西中野村、粟ノ須村、北平村、石川村、宇津木村の7つの村が明治22年(1889)に合併し小宮村となりました。昭和9年(1934)には町制を施行し小宮町となり昭和16年(1941)に八王子市と合併しました。

この地は、江戸時代に新田開発が行われ、昔は農耕と養蚕が盛んなところだったようです。今は、道路も整備され、ビルが建ったり、新しい家が立ち並ぶようになりました。一方、古民家も見られ、竹林や古木・緑地があったりと昔の面影を残す豊かな自然に恵まれたところです。

小宮町は昭和18年(1943)八王子市大字粟ノ須の一部から成立したとのことで、たしかに古地図を見ると今の小宮町の地域が粟ノ須村と分かります。小宮町 粟ノ須村の地図はこちら(「今昔マップ on the web」より) 。そして、今も「粟の 須緑地」・「粟ノ須みどりの広場」等その地名を公園や緑地の名称としてみることができます。

 

粟の須緑地

粟ノ須みどりの広場

小宮町の歴史を覚える散歩でした。

参考:八王子マガジン「はちとぴ No.44」