高尾山で見た“シモバシラの花”は私の多摩で出会った花の原点です。2009年の12月にタウン紙上でシモバシラ観賞の記事を見つけました。シモバシラは秋に白い花を咲かせますが、今回見る花は“氷の華”とのこと。物珍しさに申し込みました。
ご存じのようにシモバシラは冬になると枯れますが、根は活動していて保水能力があります。シモバシラの茎は固く導管は崩れにくく、毛細管現象で水分を吸い上げ、地上に出た水分は冷たい外気にふれて氷の華を咲かせます。冬の一時期に見られる氷の芸術です。
実際に山頂近くのもみじ台の北側巻き道で見たシモバシラは幻想的でした。ちょっと暗い日影の斜面には、茎のまわりにガラス細工のような氷の華を咲かせたシモバシラが群生していました。一つ一つ形が違い見飽きることがありませんでした。
その後、春には南高尾の梅の木平でカタクリやシュンランを見ながらハイキングを楽しんだり、裏高尾の日影園地付近を万葉歌の花を見ながら散策して白いタカオスミレや葉の形に特徴のあるエイザンスミレを見たり。初夏になると、山の中でセッコクやジャケツイバラが見事に花を咲かせていました。
今までの高尾山は私にとっては山登りの山でしたが、その後は美しい花々の咲き乱れる花の山であることを認識いたしました。