谷空木(タニウツギ)というウツギです。日本特産で北海道の西部から本州の東北地方、新潟県から北陸地方、山陰地方に分布し、主に日本海型気候の山地の谷沿いや里山斜面に多く自生している木で春にピンクの花を咲かせます。
新潟に在住していた頃は、毎年5月~6月に成ると山々や里山のあちらこちらでピンクの花を咲かせるので当たり前に見ていました。上京してからは見ることも無く忘れていましたが、歳を重ねてから山登りやトレッキングをするようになり、関東には本当に無いのかと思い、奥多摩や檜原の山々に登った時などに探しましたが、ピンク色に咲くウツギは無く、白い花が咲くヒメウツギや赤紫の花が咲くニシキウツギに偶に出会う位でした。あのピンクの花が忘れられず、ホームセンターや農協の園芸センターを数々見て歩きましたがやはり売ってはいませんでした。無いとなると尚更欲しく成るのは常、一時は地元新潟から取り寄せたいと思ったこともありました。日本海型気候に適応している木だから関東では育たないのだと諦めていました。
5月「多摩の花ごよみ」に投稿する草木の写真を写しに青梅市の里山、大塚山公園に赴き公園内を散策してキン蘭や他の草木を写していたところ、ピンク色の花が見えたので近づいて見たら、何と僕が探し求めていた「タニウツギ」ではないか、心配なのでスマホのグーグールレンズの機能で確認したらやはり「タニウツギ」でした。なんと56年ぶりの出会いに感動しました。