KDDI MUSEUMで国際通信の歴史を体験

多摩センター駅近くにKDDIのLINK FOREST(複合型宿泊研修施設)が開設されたのが2020年4月。その2Fに日本の国際通信の歴史を解説するKDDI MUSEUMと東山魁夷やエミール・ガレのガラス工芸などを鑑賞できるART GALLRYが併設されている。事前の予約が必要で1人でも可。受付で300円(現金・クレジット・電子マネー)を払う(アートギャラリーも込み)。ここからは解説員が分かりやすく説明してくれる。概ね1時間。

正面玄関 (クリックで大きくなります以下同じ)

1Fのゲート
2Fの受付

入るとすぐに約10mのスクリーンに通信の歴史が映しだされる。順次、復元されたものや現物を見ながら日本の国際通信の始まりから歴史を追う。ペリー来航、黒船と共にモールス信号の機器が幕府に献上されていた事実に驚く。デンマークの会社によって明治4年(1871)、上海~長崎・ウラジオストク~長崎の2ルートで海底電信ケーブルが布設され、はじめて我が国が世界とつながった。

スクリーン
展示ケースの左端がモールス機器

明治5年(1872)当時の海底ケーブル網 

電信ケーブルから無線通信へ、そして、長波・短波の通信では巨大設備や真空管の登場によって音声や画像の送受信が可能となった。衛星通信が始まったのは昭和38年(1963)アメリカと最初の通信で衝撃の映像が映し出された。ケネディ大統領射殺。

電信から電波へ
通信衛星

世は光ファイバーの時代へ、ケーブル敷設船によって世界とつながる。敷設の状況は映像によって、海底に降ろされた専用の機械が海底に溝を作りながら進む様子が見られる。現物のケーブルを持ってみることが出来る。ここでクイズ、海底ケーブルの本数は?世界との通信に占める海底ケーブルの割合は?答えは末尾で。

ケーブル敷設船
海底の作業の様子
クイズ 

ここからは、誰もが持っている身近な通信手段のコーナーに進む。昭和60年代(1980年代前半~)から今日までわずか40年ほどで劇的に高性能化・軽量化した通信機器。変遷の速さに驚かされる。携帯電話やスマートフォン約500台が展示されたコーナーへ。ニューヨーク近代美術館に永久保存されることになった携帯や東京国立博物館で150年後の国宝候補として認定された携帯などが展示されている。

展示コーナー
ニューヨーク近代美術館永久保存
150年後の国宝候補の認定書

通信でいっぱいになったところで、少しお休みを入れて隣のアートギャラリーでリラックス。ここでも最新技術を体験できる。スマートグラスをかけて指定の絵画の前では、女性の立体映像が浮かび音声による説明が流れる。また、ガレのガラスの花瓶の前では、作品の内側や360°周りを歩いて見たりできる、AR(拡張現実)で鑑賞できる。通信の過去と未来を現物を見ながら実感させてくれるので、そうだったのか、なるほどの半日でした。

ギャラリー内部  パンフレットより
ARで見るガレの作品 パンフレットより

  答え 本数②、割合③