「小山田緑地」(おやまだりょくち)は、町田市北西部に位置し、尾根幹線道路の走る多摩丘陵南側の斜面に広がる都立公園です。「東京国際ゴルフ倶楽部」や私有地と入り組んでおり、「本園」と「山中分園」「大久保分園」「梅木窪分園」という3つの分園から成っています。開園は、比較的新しく平成2(1990)年6月1日で、面積は、444,364.04㎡(2020年4月1日時点)にわたっています。
また小山田一帯は、一級河川鶴見川の源流域であり、複雑に入り組んだ谷戸が数々残っており、コナラ・クヌギ・シラカシの雑木林と共に畑や田んぼといった自然が残されています。この維持管理は、複数のボランティア団体の協力にも支えられています。
今回は「多摩のよこやま道」を通って小山田緑地に入り、分園から本園にむかって歩くことにしました。まず目に飛び込んでくるのは、「多摩ニュータウン環境組合リサイクルセンター」の煙突と「東京ガス多摩制圧所」のガスタンクです。よこやま道からは、ガスタンクがよく見えます。
里山風景ビューポイント~山中分園
そのほぼ後ろに、小山田緑地への入り口があります。最初に通るのが、唐木田駅に最寄りの「山中分園」です。入ってすぐに里山風景の展望が素晴らしいビューポイントに遭遇します。
ここ数日暖かく梅の木も花がほころび始めて、春の気配を感じさせてくれます。ゴルフ場の脇を通りトンボ池を目ざします。
全体的に路は整備されていて歩きやすいですが、アップダウンが多く汗ばむほどです。ジャケットをぬいで歩きましたが、春を感じさせる心地よい風。ということは花粉の季節到来でもあるわけで・・今日のところは無防備なのが気になるところ・・。
トンボ池~大久保分園
丘陵からの湧き水を利用して作られた池で、初夏にはいろいろなトンボが産卵にやってくるとのことです。池の周りも湿地帯のようで、木道が設けられていました。
トンボ池を後にして、ずっと坂を上ります。しばらく行くと突然視界が開けます。
眺め良し!日当たり良し!で弁当広げる人もちらほら。この場所には車で乗り入れることもできるようで、テーブルやチェアをセッティングしてゆっくりとランチタイムを楽しんでいる人も見受けられます。
しばらくゴルフ場の中を通過します。ゴルフ場のカートが通る道を歩くので、注意喚起の札が立てられています。天気もよくプレーする人達も気持ちよさそうです。
アサザ池~梅木窪分園
しばらく下りで、梅木窪分園に入ります。ここでの見どころは「アサザ池」です。トンボ池と同じく、谷戸の湧き水が作る池で、多年草の水草「アサザ」が、初夏には黄色の可憐な花を水面に浮かせて咲くということです。残念ながら今はその様子を想像するのは難しく、よって写真も割愛です。
つり橋~梅木窪分園
通称うさぎ谷にかかる橋です。つり橋を渡らない道もあります。ここを抜けるともうすぐ本園になります。
みはらし広場~本園
サービスセンター(管理所)がある、本園入り口に到着。本園は、運動広場、小野球場を併設した公園で、少年野球や少年ラグビーの子供たちが練習していました。広場では子供たちが駆け回っており、シートを広げる家族連れも多く見られます。どちらかというと分園はシニア層の散策を楽しむ姿が多く見られましたが、本園の方は子供連れのファミリー層がほとんどです。
「運動広場」は「馬場窪」ともいわれ、みはらし広場からなだらかな斜面でつづいている窪地ですが、12世紀頃の「小山田の牧」という馬の牧場の一つで、窪地全体がその遺構と考えられているために地形が保存されています。
みはらし広場は、平成16年に町田市では唯一、国土交通省「関東の富士見100景」に選ばれています。
天気の良い日には、丹沢山系の山々と富士山が見えるという。残念ながら丹沢の山なみが霞んで見える程度で、富士山は見えませんでした。でも解放感は、抜群です。
バスの時間に合わせて、ここでお弁当をいただくことにしました。
「みはらし広場」の反対側は、「小山田の谷」と呼ばれる細長い谷戸に沿って、ため池・上池・下池・調整池が連なっており、季節の野草をみることができます。調整池までくれば、バス通りが見えます。「扇橋」のバス停がある道の対面は、前回のブログで紹介した奈良ばい谷戸です。
参考 小山田緑地東京都公園協会