多摩でサイテーな場所

前回のブログ(リンク先⇒2020.3.9)では多摩地域で最も標高の高い場所について書きました。今日は多摩で最も低いサイテーな場所について書きます。

標高の最も高い地点については、ネットなどで探せば市町村単位で大体は出てきます。しかし低い場所はなかなか出てきません。多摩地域で最も低い地点がどこかということを書いたものを私は見たことがありません。となれば最低地点は自分で探すよりほかはないですね。

幸い、今は標高データを多くのサイトから取り出すことが可能です。今回は国土の地形に関する基本データを管理している国土地理院の提供する公開データとそれを使った地図ツールを利用して多摩地域のサイテーな場所を探してみました。

まずは、低い場所の見当を付けます。川は低い所を低い場所へ向かって流れています。ですから川筋を調べていけばその地点が分かるのではないか、ということで多摩地域の川に着目しました。

多摩には北に柳瀬川、中ほどに多摩川、南に鶴見川・恩田川・境川があります。それぞれを見ないといけません。ここで、国土地理院が提供している「色別標高図」を使ってざっと眺めてみます。

そうしますと、南部の鶴見川・恩田川・境川エリア(町田市)は茶色になっており(標高25m以上)、他の候補との色合いの違いで一目で候補地から除外できました。残るのは柳瀬川流域の清瀬市と多摩川流域の狛江市です。それぞれを拡大して細かく観てみます。

まずは清瀬市。清瀬市の北端部で柳瀬川に沿った所(清瀬水再生センター北側)は、色別標高図では少々読み取りづらいのですが、標高は15m以上あるようです。(矢印の場所)

次に狛江市。多摩川の中ほどまで市域が伸びており、その川原部分は10~15mで色分けされています。したがって、ここのどこかが一番低い地点です!

その部分を地理院地図で表示すると次の場所になります。(赤丸部分)

そこで現地に行ってみました。(2020年2月6日)

上の写真は、地図に赤丸を付けた多摩川左岸(北側)の部分で、狛江市と世田谷区の市区境の手前付近から下流の多摩川橋方面を見た写真です。この写真を撮っている所から10m程先に市区境ラインが左右に走っていると思われますので、それが多摩川と交差する水際が多摩地域の最低地点になるはずです。地理院地図の上でカーソルを動かして表示される標高データを比べると、この辺りの一番低い標高は10.3mとなっていました。下の図の「+」の地点です。この近傍が探し求めていた多摩地域で最も低い場所になります。住所は狛江市駒井町3丁目です。

※2019年の台風19号では多摩川沿いの各地に大きな被害が出るほどまでに多摩川が増水した関係で、この写真を撮った時には、流路や川原の様子がガラッと変わってしまっており、国土地理院の地形図とは少々違った川原の形状で写っています。また、川の中にその時の流木が留まっている様子も写真に写っています。