西玉神社の葵の御紋〜徳川家康ゆかりの地 平町

桜が咲き始めた頃、多摩川の右岸八王子市平町を歩いてみました。

平町の小高い処に「西玉神社」という神社が建っています。屋根に葵の御紋が付いているので、「徳川家康と何か関係があるのかしら?」と思いながら神社に参拝しました。

神社を後にして多摩川に向って行くと、大蔵院の近くに市 指定天然記念物平町大蔵院のイチョウという大木がありました。その木の説明板によると「名主平氏が家康から賜わった金銭を御神体とした東照宮を祀った…」と記してありました。天正18年(1590)徳川家康が落城後の八王子城を視察した後川越方面に向かう為「平の渡し」を渡った際に道案内をした平氏は褒美として金銭を賜ったようです。西玉神社に東照宮を合祀したとのことなので葵の御紋と繋がって来ました。

そんなことを考えながらさらに多摩川までと、平町を歩いている途中お花がいっぱい咲いている家の庭先にいらした奥さんに「ニシタマ神社に行って来たんですよ」と話しかけると「西玉と書いてサイタマ神社というのよ」と優しく教えて下さいました。奥さんは多摩川の対岸の昭島市から嫁いできたそうです。「子どもの頃、多摩川でよく遊んでいたけれどその頃は平町には家も少なかったのよ。昔、平町の子どもは舟で昭島の成隣小学校に通っていたそうよ。私もそのの成隣小学校を出たのよ」と 懐かしそうに話されました。奥さんと別れ、「平の渡し」があったと思われる多摩川の土手まで行ってみました.。すると多摩川の向こうに昭島市大神町にある成隣小学校が 見えました。

(平の渡しがあったと思われる付近・対岸の左手に見えるのが成隣小学校)

対岸にも何かあるかなと思い2,3日して「平の渡し」ならぬ多摩大橋を渡って大神町へ行ってみました。多摩川を挟んで平町が見える辺りまで歩くと河川敷のグラウンドの入り口に「平の渡しの跡」の説明板が建っていて徳川家康が「平の渡し」を渡ったことが記されていました。多摩川の流れを眺め、平町と大神町を行き交った人々に思いをはせながら家路につきました。

早く皆さんと一緒に歩ける日が来ますように!

(平の渡しの説明板・写真右上にあるのが西玉神社)