「長崎平和祈念像」の制作者として知られる彫刻家だった北村西望の肖像彫刻65点ほどが、10月31日まで、武蔵野市御殿山の井の頭自然文化園彫刻館B館で展示されている。
北村西望は、明治17年(1884)長崎県南有馬村(現南島原市)に生まれ、昭和62年(1987)3月4日、心不全のため、武蔵野市の自宅で逝去。102歳だった。
長崎だけでなく、広島の原爆で被災した市民に向けた「飛躍」や平和観世音菩薩像など多くの平和祈念像を制作した。日本芸術院会員をはじめ、日展理事、文化勲章受章、文化功労者であり、日展名誉会長などを務めた彫塑界の重鎮だった。
東京都北区に住んでいた西望は、昭和28年に武蔵野市に移り住み、井の頭公園内にアトリエを構え、ここで制作した作品約350点を東京都に寄贈。同園彫刻館で展示されてきた。その後も寄贈作品が増え、合計500点以上にのぼる。
東京都北区に住んでいた西望は、昭和28年に武蔵野市に移り住み、井の頭公園内にアトリエを構え、ここで制作した作品約350点を東京都に寄贈。同園彫刻館で展示されてきた。その後も寄贈作品が増え、合計500点以上にのぼる。
開催中の「肖像彫刻」展に展示されているのは戦前から戦後にかけて活躍した実業家、スポーツ選手らの肖像だ。故郷の長崎出身者が多いが、西望の信条や交友関係が伝わる。「内容・外姿混然一体」を追究していた西望の姿勢と相まって肖像主の威厳や奥ゆかしさが見て取れる。
自然文化園の開園は9時半-17時(観賞は16時半まで)。月曜休み(祝日の場合、翌日休み)。入園料は一般400円、65歳以上200円、中学生150円、小学生と都内在住・在学の中学生無料。井の頭自然文化園はJR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅公園口から徒歩約10分。