前回のブログで紹介した浅間嶺に続いて、今回も檜原村のハイキングコースを歩いてみました。
今回は秘境散策で、神戸岩(かのといわ)と天狗滝を目指すコースです。檜原村の神戸岩と天狗滝は、浅間嶺から見ると北東の方角に位置しています。
武蔵五日市駅で藤倉行きのバスに乗り、神戸岩入り口バス停で下車。まず、最初に、神戸岩を目指して神戸川沿いに神戸集落の幹線道路を北西に向かって歩きます。
集落が終わって、さらに神戸川沿いに歩みを進めると、まもなく神戸岩です。
目の前に見上げるばかりの二つの巨大な岸壁、神戸岩が現れました。右の岩の高さが約100m、左の岩は80mとか。神戸岩は東京都の天然記念物に指定されています。
名前の由来はについては、岩の扉が開きかけているように見え、岩を神域の出入り口に見立てて「神域の戸岩」→「神戸岩」になったという説が有力とのことです。
神戸岩の岩質はチャート層と言って、約2億年前から1億4千年前に、深海にケイ酸の殻をもった放散虫などのプランクトンの遺骸が堆積して固まった堆積岩の一種ということです。緻密で固く、火打石の名で知られているそうです。
強固な硬さのために、長年にわたる浸食に耐え今日まで残ったのですね。気の遠くなるような年月で、立ち眩みしそうになったのは、私の年のせいばかりではなさそうです。
神戸岩に別れを告げて、次の目的地の天狗滝へ向かいました。もと来た道を戻り、北秋川に沿って歩を進めると、千足(せんぞく)地区で天狗岩方面を示す道標が現れました。
道なりに進むと、まもなく舗装が切れて山道に入ります。山の気配の中に滝の音が聞こえてきました。小天狗滝です。小さな滝ですが、勢いよく水しぶきを上げて流れ落ち、存在感十分です。
元気を出して小天狗滝から歩くこと約10分。天狗滝に到着です。天狗滝は、天狗の名が付いていますが、おだやかな美しい滝でした。高さ38mと見上げる高さですが、水は岸壁の岩肌をすべるように流れ落ち、水しぶきはほとんど上がっていません。
山間にぱっと開けた幅の広い断層面の中央を割って、するすると滑るように流れる美しい滝です。
落差のわりには流れがゆるやかなため、滝つぼは浅めの淵となり、下段にはちょっとした砂利河原が作られています。
眼下の景色を眺めながらの休憩所にはもってこい。
また、本宿の北秋川橋を渡るとき、遠く馬頭刈(まずかり)尾根の中腹にぽっかりと望むことのできる滝です。
檜原村
滝つぼには小さな魚が泳いでいましたが、何んという魚でしょう。
滝つぼの周りの小さな河原で、滝を眺めながら昼食タイムです。
帰りは、もと来た道を戻り、払沢の滝入り口バス停へ向かいました。
神戸岩入り口バス停からの歩行距離約10.4㎞。コロナをひととき忘れることのできた秘境散策でした。
参考資料
*地理院地図