多摩地域勉強中のmaruです。
みなさんは立川駅の南口を歩いたことがありますか?
そこに、ちょっと目を引く存在がいるんです。
それは、カラフルでポップな大黒さま。
昔は石のままの渋い姿だったのですが、近年カラフルなお姿になりました。思わず「大黒さま、ポップだな〜〜」と二度見してしまうほど。

いろは大黒天
この大黒さま、「いろは大黒天」といって実は立川南口の商店街の顔として、地元ではけっこう知られた存在です。
商店街がトレーディングカードになった(!)「たちモンカード」にも登場していて、街の人から愛されています。

いろは通りの名前の謎
「なぜいろは大黒天?」と思った方もいるかもしれません。
答えは、この通りの名前が「いろは通り」だから。


実はこの名前、昔の桑畑に由来しています。かつて立川商工会議所が出していた情報誌「とぅもろう」によると、ここ一帯には47反の桑畑が広がっていたのだとか。
そして「いろはうた」も47文字。だから「いろは」通りなのだそうです。
47反がどれくらいかというと、ざっくり東京ドーム1個分(立川北口のグリーンスプリングス全体より少し大きいくらい)の広さです。
「立川の南口にそんな広さの桑畑があったのか!」と驚いてしまいます。
明治時代の地図を見ると、立川一帯は桑畑の記号がずらり。桑畑の記号はYとLを合わせたようなマークです。

まさに街の原風景だったんですね。
昭和に誕生した大黒さま
そんな歴史のある「いろは通り」に、大黒さまが登場したのはちょうど40年前の昭和60年(1985年)。
ビルができたときに合わせて安置されました。
その際には、立川諏訪神社の神主さんが入魂式を行ったそうです。
この諏訪神社は長野の諏訪大社をルーツにもち、祀られているのは狩猟や農耕、そして商売繁盛にご利益のある建御名方神(たけみなかたのかみ)。
つまり「勝利」と「繁盛」に強い神様です。
そしてもちろん、大黒さまは五穀豊穣、商売繁盛の福の神です。
大黒さまに神頼み!?
そんなご利益にあやかろうと、かつてはすぐそばのウインズで買った馬券を片手に祈願する人がたくさんいたのだとか(笑)。
また、このビルのかつてのオーナーさんも、「近代的なビルに似合わない、それがいい」と語っていたそうです。たしかに、「ビル街に大黒さま」という不思議な感じが立川っぽさなのかもしれません。
大黒さまの今昔
そして現在。
いつの間にか大黒さまはカラフルにお色直し。

しかし、そんな由緒正しい大黒様、こんなにカラフルでポップなお色にしちゃっていいんでしょうか。
ここで、「とぅもろう」に掲載された平成5年(1993年)12月時点の大黒様の姿を見てみましょう↓。

イルミネーションをまとって、大黒天もクリスマス?
大黒さま、当時からイルミネーションでポップに輝いていた…!
これからもきっと、大黒さまは立川の街をポップにニコニコと見守ってくれることでしょう。
参考文献
- 『立川商工会議所情報 とぅもろう 第279号~第370号(合冊製本)-1986年5月~1993年12月 欠号300号、356号』立川商工会議所, 2013
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