城・花・水・彫刻、見るテーマの多い片倉城跡公園の春

今年、東京の桜の開花宣言は3月29日、1980年代では4月に入って開花と言うこともあったが、ここ数年は3月中・下旬の早めが多かった。カタクリや桜が良いと言う八王子市立・片倉城跡公園、咲き具合を見に行ってきた。

国土地理院地図使用  (クリックすると大きく見られます以下同じ)

管理棟のある入り口からは彫刻広場となっていて、北村西望作の「浦島ー長寿の舞」はじめ「北村西望賞」受賞作品など19体が野外展示されている。北村西望は明治17年(1884)生まれだから、今年は生誕140年の節目の年。(昭和62年(1987)没、102歳の長寿であった)一体一体じっくり鑑賞すればあっという間に時間が過ぎてしまう。

                       八王子市公園案内パンフレットより
                      八王子市公園案内パンフレットより

近くの「はす沼」で運よくカワセミを見ることが出来た。園路脇にアズマイチゲの花も咲いていた。通りがかりのグループが、6、7月になると、めずらしいヒメザゼンソウが見られると話しながら散策している。

ここは東京の名湧水57選の一つになっていて「奥の沢」や「片倉沢」に湧水が流れることでも知られている。その湧水を利用して水車を回している。このあたりにカワニナが生息していて、6月下旬にホタルが舞うそうだ。ショウブのはなも鑑賞できて、初夏に多くの人が来園することだろう。

奥の沢 手前の段にショウブが咲く
水車小屋

公園散策マップの歴史の説明では、15世紀後半に大江広元を祖に持つ扇谷上杉氏の家臣、長井氏が築城したと言われるが定かでないと書かれている。空堀や土塁なども見られ中世築城の形態を示しており、平成11年(1999)3月東京都指定文化財「旧片倉城跡」として指定されている。前述の湧水が城の水源だったのかと想像してみる。冒頭の写真のとおり、南北に兵衛川と湯殿川が流れ、丘陵の先端に造られているため攻守に優れた城が見て取れる。

この沢沿いの両側の斜面がカタクリの花でいっぱいだった。3月下旬の不順な天候で咲いていないのではと心配したが、花を楽しむ人で賑わっている。沢を登ると本丸広場と二の丸広場に出る。西側にある二の丸広場へは、本丸側から空堀を橋で渡るようになっており、渡ると広くさえぎる物のない景色が広がり開放感に包まれる。広場を囲むように桜があるのだが3月下旬と4月初めに訪れた時はまだまだの咲具合だった。

二の丸広場(3月下旬)
左の写真の右端の木を撮った(4月初め)

桜は残念だったが、多くの草花が咲いていて、はじめて見るフタバアオイを撮ったことを良しとしょう。