神代植物園でパナマソウめん

この夏、神代植物公園の大温室の熱帯花木室で栽培されているパナマソウの開花の様子が、7月10日に園のSNSで紹介されると、その花の形状からちょっとした話題になりました。「そうめんにしか見えない」「おいしそう」「麺つゆと薬味もってきて」などのコメントが次々に寄せられたということです。

パナマソウとは

パナマソウは南米北西部から中米に分布する多年草です。葉はヤシに似た扇形をしていてパナマ帽の材料として使われています。花は根元近くに咲き、太い棒状の穂を軸として小さな花がたくさんつく肉穂花序(にくすいかじょ)という作りをしています。開花時は、受粉しない不稔(ふねん)おしべの変形した白い糸状体で覆われ、その奥に雌花と雄花があります。糸状体はそうめんのような珍しい姿のため注目を集めますが、1日で崩れ落ちてしまうために鑑賞できる時間が少ないのが特徴です。
そうめんのような一夜花からガマの穂のような果実まで、形態の変化が面白いパナマソウです。

神代植物公園のパナマソウは、2019度に「日本新薬株式会社 山科植物資料館」から2株導入され、昨年初めて開花し、今年は5つの開花が見られたということです。

パナマソウの開花から結実まで~(写真:深大寺植物園Xより)

①蕾
②蕾がほころび始めて、そうめんの
ような不稔雄しべが姿をのぞかせた
③6時間後、おしべがだいぶ見えてきた
④さらに1時間後、一日で散って
しまう花が全貌をあらわす
⑤雄しべがほぐれ始めた
⑥さらにほぐれていく
⑦翌日にはそうめんのような不稔雄しべが
ほぐれ、大半が落下している
⑧翌々日、素麺のように真っ白だった
雄しべが茶色に。落ち武者を思わせる・・
⑦果実が熟し始め
真っ赤に染まった果肉が見えてきた
⑧多数の果実がつながったままめくれて
真赤な果肉があらわに

期間限定メニュー

園ではSNSの反響から、そうめんのメニュー化を決め、出来たのが「パナマソウめん」。
そうめんの下に肉穂花序をモチーフにしたナッツとサラダチキンを置き、麺の周りを緑の菜の花とバジルソースで囲んでいます。園内の「グリーンサロン」で提供していました。

開花を見るチャンスはありませんでしたが、そうめんは食べる機会がありました。
「初めにバジルソースで味わってから、麺つゆをかけて味変を楽しむのがお勧め」とお店の方のアドバイス。
麺つゆとバジルソースの味わいがさっぱりとしていて暑い時季でも箸が進む上に、チキンとナッツで、素麺では不足しがちなたんぱく質も摂れるメニュー。料金は1,200円(1ドリンク付き)。9月29日までの提供でした!

グリーンサロンでは、9月21日から、今見ごろのパンパスグラスをモチーフにした「パンパスケーキ」が登場するそうです。

パンパスグラス