昨年2019年、古希を迎えた。
「古希という節目」に、何か残そうと考えたのが「秩父巡礼の道を歩こう!」であった。月一度、第一日曜日に秩父駅から全て徒歩で(3ヶ寺は近くまでバス利用)という計画を基に歩き始め、この年の11月3日に三十四ヶ寺目を巡礼満願となった。
西武秩父線に乗り、山々は次第に高くなり谷間集落の生活の息づかいを感じるや否や突然に視野が開け平地が現れた。ここが秩父盆地か!
秩父巡礼の距離は、一番札所四萬部寺から三十四番札所水潜寺まで約延べ104㎞あると言う。
秩父で札所のことを尋ねる場合は、寺の名前ではなく「~番」と番号で尋ねるよう観光案内所で知り第一歩を踏み出した。
秩父市の中心地には古風な商家が所々にあり、郊外は静かな山村と美しい自然が旅愁を誘った。又、桑畑の中に茅葺屋根の農家が忘れられないように凛と建っていた。
巡礼道はどこを歩いても武甲山に見守られているようだった。昔し、この山は武光山と言われ日本武尊が武具、甲冑を岩穴に納め武甲山の名が生まれたとのこと。武甲山の山容は石灰岩の採掘で削られ、その跡が生々しく白くて山が吠えているようだった。
満願達成まで10ヶ月を要したが秩父の風土、温情豊かな地元の人々に接し、何か独特の文化を肌で感じた。そして、日常から離れた巡礼の時間帯が心地よかったのと市内各地で味わった蕎麦の味は忘れられない。
≪一番札所四萬部寺≫
《三十四札所水潜寺》
≪三十四番札所水潜寺≫