犬からの贈り物

息子が飼っているヨークシャーテリアを、12月半ばから預かることになった。生活のリズムが一変して、朝の散歩から始まり昼のオシッコ、夕方の散歩、夜のオシッコタイムすべて野外での排泄がお決まりらしく時間を見計らって連れ出すことになる。

他所の犬はどうか知らないが、小さいわりに力強くおまけに早足、錆がかった私の関節と筋肉が悲鳴をあげる、その速度に合わせなければ散歩などとてもとても連れ出せない。最近は慣れてきたせいか、やっとスピードに順応し、身体の要所要所がほぐれてきた

早朝(午前6時前後まだ暗い)に散歩すると、同類はいらっしゃるようで犬を引くリードを巧みに操ってこちらに向かってくる。近づくかどうかは犬の方が瞬時に判断し、ヤバい犬には近づかない。

遅れて、新米飼い主としては犬よりも相手飼い主の様相を伺って判断し、ヨシとなれば近づけるようにしている。別れぎわには「ありがとうございます」の一言がルールのようだ。

入っていくと不審者と見られかねない住宅街も「あ、散歩ね」と受け流せるようで、堂々と歩ける。未知の領域を知ることができ「へーこんな所なんだ」と発見が相次ぐ。ところで、情報収集とは言うものの常に嗅ぎ回る犬には進路変更がしょっちゅう。嗅覚は人間の理解を大きく超える。

何はともあれ、健康ウォークと、今まで知らなかった近隣を教えてくれたことがご褒美と思うことにした。数日前に引き取られていったが、寂しいなどとセンチなことは言うまい、「やれやれ」がつい口に出てしまう。

メス6才

夜明け前の月と奥多摩方面