「第49回多摩めぐり 晩秋の奈良ばい谷戸を散策し、小野路宿の歴史を辿る」を11月24日(日)に開催します

多摩で出会った花 ~episode2~
ハゼランの花       横田敏明

私が最近まで勤めていた立川の補聴器専門店でのことでした。

2019年の夏のことですが、店の出入り口のすぐ近くの、歩道と敷地の縁石の間の狭いところにかわいらしい植物の芽が出て、やがて小さな花が咲きました。
それがこのハゼランの花でした。人通りのある歩道と敷地の縁石のすきまに咲いたちいさな花です。道行く人が立ち止まり、また信号待ちの人たちがながめていました。

なぜこんなところにハゼランがと考えてみると、数年前、矢川沿いの道端にハゼランの群生があり、一株をいただいてきて、店にあった小さなゴムの木の植木鉢の隅に植えてありました。
小さな植木鉢ですので毎日、日中は店頭の縁石の上に出して、夜間は店内に置いておく、そんなことが何年か続いてハゼランは毎年小さな花を咲かせていました。それで店頭に出していた時に、花からその種子が歩道に落ちて、この年このすきまに芽を出し、花が咲いたという事の様ようです。

ハゼランの花 2019年8月24日 立川市錦町

歩道ですのでいずれ踏まれるか、だれかに摘まれるだろうと思つていましたが、そんなこともなく写真の様にりっぱに成長しました。家族が増えたように感じさえして、当時、大変この花が愛おしく思われた次第です。