「第47回多摩めぐり ユネスコ無形文化遺産シリーズ第二弾『鳳凰の舞』道行きから奉納まで、新しい仏さま鹿野大仏も」を
9月29日(日)に開催します

2024*多摩で出会った花~5
2年続けて高尾山へ出掛けた「ハナネコノメ」  K.M.

高尾山は毎年出掛ける山ですが、「ハナネコノメ」について聞いたのはその時が初めてでした。
各地の山を歩いては花の写真を撮っている山歩きの仲間が、「高尾山にハナネコノメを見に行こう」と言い出したことがきっかけとなって、ハナネコノメを知ることになったのです。

2019年3月21日、12時に景信山山頂に集合、ということで数名の仲間が思い思いのルートで景信山に集結しました。山頂で昼食を済ませてから、ある沢筋に下ります。
前の年に沢が崩れてハナネコノメの咲くエリアに被害が出ていることも予想されいつものように多くの花を期待できないかもしれない、それに時期が3月下旬になってしまったので花の時期にはちょっと遅いかもしれないと、「期待はするな」という意味合いの説明を受けながらその場所へ向かいました。
ちょっと湿っぽい岩の多い場所で「この辺りに咲くのだけど」と言いながらキョロキョロ探すと「あった!」との声。そこへ皆が集まると、岩肌にハナネコノメはしがみついていました。周辺は崩れ落ちてきた土砂や木片が残留して荒れた状態になっていて生育している範囲は狭められているようにも見えたのですが、しっかりと花を咲かせていました。

ハナネコノメの花はちょっと長めの雄蕊とその先の赤い葯が白い4枚の萼から突き出ていて、色彩的にも形状も存在感のある顔つきをしている可愛らしい花です。ただ、時期が遅かったことで、葯が既に落ちていたり色合いもくすんでいたりして花の盛りは過ぎていました。それでも惹きつける力を持つ花です。
初めて見るその容姿に誘われて、コンパクト・デジカメで写真を何枚も撮ったのですが、どれもピントが合っておらずピリッとした満足のいく写真は結局撮れずじまいに。

翌年2020年の3月12日、新型コロナで世の中はビクビクの生活が始まった時期でした。前年のハナネコノメ鑑賞に若干の物足りなさを感じていた面々に、「別のところでハナネコノメを見よう」と声が掛かり、マスクを掛けて高尾山清滝前に集合しました。
6号路から山頂経由で蛇滝に下るコースで、欲張って6号路と蛇滝の2ヶ所でハナネコノメを見ようとの計画です。2019年の秋の台風で沢筋はかなり荒れており登山道もあちらこちらでえぐられている状態でしたが、6号路ではハナネコノメは2ヶ所ほどで小群生を見ることができました。訪問時期を前年より早めにしたことで、白と赤の色彩はより鮮やかで写真の映える状態であったのですが、腕・カメラ両方の力不足でどうもきれいな写真が撮れません。
一方蛇滝付近ではもともと生育している面積が広いのか、荒れた場所ながらも6号路よりも多い群生に出会え、いろいろなアングルで写真を撮ることができました。しかし、ここでも満足のいく写真は撮れませんでした。

ハナネコノメは、私にとっては画像として記録することは難しい花で、記憶に留めるのが一番ということなのでしょう。
不満の残る写真ですが、2019年と2020年で一番よく撮れた写真を掲げます。

八王子市裏高尾町小下沢 2019/3/21  ハナメコノメ
八王子市高尾町蛇滝 2020/3/12  ハナメコノメ