「第50回多摩めぐり 作家吉村昭の書斎を訪ね、あわせて多摩地域の東端エリアを散策する」を12月21日(日)に開催します

2023*多摩で出会った花~8
久我山さくら  鶴崎克也

杉並の久我山には、桜が みたび咲きます。

一度目は、3月の上旬、京王井の頭線久我山駅のコンコースの壁に桜の木の枝が描かれます。描かれた枝の前の小机の上に、紙で作られた多くのピンクの桜の花とサインペンと糊が置かれています。通りすがりの人が、これを取って、思い思いの言葉を添えて、描かれた枝の好きなところに貼り付けています。当駅は、都立西高校、國學院久我山中学高校などの最寄り駅のため、花びらには、「卒業おめでとう」とか、「◯◯君、合格おめでとう」などの言葉が多く見られます。なかには、合格者の似顔絵も混じっています。

久我山駅 2022/3/24
久我山駅 2022/3/12

二度目の桜は、久我山駅の前を線路に沿って流れる神田川の桜です。3月中旬から下旬には、樹齢数十年の古木のさくらに若木のさくらも混じっています。今年(令和5年)は、まるで、世界野球WBCでの日本代表サムライジャパンの優勝を祝うように、3月22日に満開になりました。残念ながら、天気に恵まれず、青空に映えるということはありませんでした。また、この冬、少し刈込みすぎたのか、大きな枝がめだっていました。来年に乞期待です。しばらくすると、花びらが神田川の川面を埋めます。

“神田川 風のかけたる しがらみは 流れもあえぬ 桜なりけり”(本歌取り)

久我山駅前神田川 2023/3/24
久我山駅前神田川 2023/4/3

三度目の桜は、ご想像のとおり、四月の初めに駅のコンコースにふたたび咲き誇ります。こんどは、入学おめでとうの桜です。 ちびっ子が、私の桜はアレと指差して、親に見せている微笑ましい光景を目にすることができます。

このように、久我山では、三たび、さくらを楽しむことが出来ます。

“三たび咲く 久我山さくら 児ら集う”

※久我山は旧多摩郡です  (事務局記入)