浅間尾根は、東京都檜原村のほぼ中央部を東西方向に延びている尾根です。起伏の少ない尾根で、標高800~900mの稜線が続いています。
浅間嶺は、その浅間尾根のほぼ中間地点に位置しており、ジャガイモの形(私にはそのように見える)をしている檜原村の中心にあると言えそうです。
往きのバスの中で、檜原村の特産品を紹介していましたがその中にジャガイモがありました。
浅間尾根は標高がそれほど高くないことから、古より尾根道が設けられ、人馬の往来があったということです。今日では人気のハイキングコースになっており、尾根に登るいくつものルートが作られています。
今回は、浅間尾根登山口から浅間尾根に登り、浅間嶺をめざすことにしました。武蔵五日市駅からバスに乗り、浅間尾根登山口バス停で下車。尾根に上がるために風張(かざはり)峠分岐をめざして歩きます。つづら折りの坂道を登ること約45分で風張峠分岐に到着、尾根に上がりました。ベンチで一休み。風張峠分岐は、風張峠へ向かって浅間尾根を西へと向かう分岐点です。
風張峠分岐の道標の近くに小さな石仏が置かれていました。馬頭観音のようです。人馬が往来していた時代、愛馬への感謝の気持ちを込めて祀ったのでしょう。
風張峠分岐からは、起伏の少ないなだらかな尾根道歩きになります。風張峠分岐から10分ほどでサル石に到着。サル石は高さ3mに及びそうな巨岩で、”サルの手形が付いている”と、説明板にあるのですが見つけられませんでした。
藤倉地区と笹久保地区へ向かう分岐点を経て、スギやヒノキに囲まれた尾根道を木漏れ日を浴びながらさらに東へと進みます。
サル石から1時間ほど歩いて人里(へんぼり)峠に到着。人里峠は人里地区の集落へ向かう分岐点です。“へんぼり”という難解な読み方は朝鮮語由来など諸説あるようですが、詳細は不明のようです。
人里峠からしばらく行くと、左手(北)に視界が大きく広がり、御前山が裾野まで見えてきました。浅間嶺は間近です。今回は、地理院地図に印された浅間嶺(903m)をスルーして檜原村が紹介している浅間嶺(866m)へ向かいます。
人里峠から約25分で浅間嶺の麓に設けられた広場に到着。休憩所で一休み。近くにトイレがありました。
元気を出して浅間嶺の小高い斜面を登ること5分。めざす頂上に到着です。
視界良好。北の方角に御前山、大岳山、鋸山などの奥多摩の山並みが眼前に広がります。
南の方角には丹沢山系、そして裾野は笹尾根に隠れていますが、冠雪した富士山が見えました。ベンチに座り、眺望を楽しみながら昼食タイムです。
帰りのコースは、浅間尾根をさらに東に向かい、時坂(とっさか)峠を経て払沢の滝バス停をめざすルートを採りました。このルートは「中甲州道」とも呼ばれて古くから拓かれていたということです
関東ふれあいの道 歴史道
このコースは、上川苔から浅間尾根へのぼり時坂峠をへて本宿に至る延長8.0㎞のものです。檜原村の中央を通り地形もゆるやかな浅間尾根は、中甲州道とも呼ばれ古代から重要な交通路となっており、江戸時代頃は馬によって木炭等の生産物を運び出し、日用品などを運び入れる要路として、村人のほかに小河内や西原の人たちも利用していました。
環境庁・東京都
ゆるやかな下り坂を歩くこと約1時間50分。檜原村本宿にある払沢の滝バス停に到着しました。浅間尾根登山口バス停からの歩行距離約10.5㎞。
武蔵五日市駅へ向かうバスに待ち時間があったので、払沢(ほっさわ)の滝へ足を延ばしてみました。
美しい滝はかなり凍っていました(2021・1・31)。しかし”今年はコロナウイルスの感染拡大防止の観点から、結氷状況の公開を一時控えさせていただきます”とのことでした。
コロナ禍はここにも及んでいました。
参考資料
*地理院地図