・クチナシの特徴
春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイと共に芳香花木の代表的な花木である。花が少なくなる初夏に5~6㎝の白い花を咲かせ、葉には美しい光沢がある。
アカネ科で分布は西日本に多く自生し、花言葉には「幸を呼ぶ」「喜びを呼ぶ」「優雅」「夢中」等があり、いづれも純白の花のイメージから付けられた。
名前の由来は、実が熟しても実の表皮が開かないから。又、「朽ち無し」から縁起物として解釈され開店祝い、結婚祝いなどに贈られている。
芳香は夜が強い!これは、受粉のために虫を呼び込んでいるため。受粉はオオスカシバによって行われる。オオスカシバは、大食漢で一夜で一枝を丸坊主にしてしまうくらい食べ尽くすが、最近は天敵であるカマキリが多くなった為被害が少ないという。
八重咲のクチナシの花びらは、雄しべ・雌しべが花弁化したもの。このため受粉がままならず実がならない。しかし、数年に一度、先祖返りによって雄しべ・雌しべが出来る場合がある。
・クチナシの実(サンシシとも言う)
クチナシの実は、縦に六つの稜があり乾燥させて砕き色々なものを染めるのに役立つ。たくあん漬け、栗きんとん等の食品の色付けに使われている。又、大分県では郷土料理として実のエキスで炊いた黄飯があり御祝い事に使われている。このように多面にわたって重宝されている理由は、実には香りや味がないため素材の風味を妨げないのが良いとのこと。又、タオル、ハンカチ、服など衣料品を染めることもできる。
実の効用としてゲニポシドという成分が肥満に効果があり、冷え性、肩こり等にも効果があるという。又、血行を良くする成分が含まれ生活習慣病の元となる活性酸素を減少させる効用があるという。
・クチナシのこぼれ話
将棋盤の脚は、クチナシの実を模って作られている。その理由は、勝負には第三者の口出しは無用であるという意味から。
新棋聖誕生(17歳11ヶ月)に沸く将棋界❕今度は、史上最年少八段(18歳3か月)昇段記録更新に注目されている。