立川市民が30年間気づいてなかった!?ファーレ立川アート

多摩地域勉強中のmaruです。今回は芸術の秋!ということで、ファーレ立川について取り上げたいと思います。

ファーレ立川は今年で30周年!

ファーレ立川は1994年の誕生から今年で30周年になります。約5.9ヘクタールの面積に、109点ものパブリックアートが並ぶファーレ立川は世界的にみても類を見ない街区となっています。風の噂によると、30年のうちにアートの価値は上がり続け、今ではすごい時価総額になっているとかいないとか…。

30年間見落としてたアート作品

そんな立川の「顔」とも言えるファーレ立川アート109点について、今一度じっくり鑑賞してみようとした結果、その中になんと「30年間一度も見たことがなかったアート」があることに気づきました。今回はそれらの作品について取り上げてみたいと思います。

謎の蜘蛛の巣

最初のアートは立川中央図書館裏のこちらの顔!

…ではなく、このアートから上を見上げた場所にあるこちらの蜘蛛の巣です。

……拡大っ!

見たことあります?このアートはかなり「場所を知ってないと見つけられない」のではないかと思います。見つけた時には「うわーあった!」という嬉しさがありますね。

立川のネオン3・4

「あれっ?見たことある」と思われたかもしれません。思い出すのはシネマシティ裏のこちら↓のネオンではないでしょうか。似てるけど実は違う場所にある作品なんです。

なぜこのネオンを今まで見たことがなかったのか?と考えてみると、通りの北側から見ても、

北側から

南側から見ても、、

南側から

見えない!ビルの上の蜘蛛の巣と同じで、「見ようと思わないと見えない」位置にあるようです。

ちなみに夜になるとこんな感じ↓です。かっこいー。

そしてネオンはもう一つあります↓。こちらも「見えてはいるけど見逃しがち」な場所にあると思います。遠くに「Thio-2」が見えますね。

ネオンのタイトルが2、3、4ときたので、じゃあ1はどこに?と疑問に思うのですが、1はシネマシティと高島屋の間のペデストリアンデッキにある「Ena-1」です。これは見逃したりしませんね。

赤い丸

ネオンや蜘蛛の巣がある通りの北側の角に立って上を見上げてみると…

ビルの上には…!?

拡大っ!

フェリーチェ・ヴァリーニ「屋上の円」

赤い丸がありました!これは高島屋近くの特定の場所からだけ丸が見える「背中あわせの円」と同じ作者の作品です。

今までの位置関係を整理するとこうなります↓。この通りに見たことのない作品が集中しているようでした。

呪文、ノエマのために

続いては先ほどの通りから中央図書館へ続く細い路地にあるこちらの壁↓。よく見てみると、、

文字が書いてある!き、気づかなかった…。

刻まれているテキストは、石牟礼道子「椿の海の記」、ジェームズ・ジョイス「若い芸術家の肖像」からの一節とのこと。どちらの本もすぐそばの立川中央図書館にあります。

なが〜く続いています。

ちなみに夜は光ります↓。ライトアップされるといっそう神秘的な印象になりますね。

私は太陽を待つ

続いてはろうきん近くのこちら↓の車止めです。

何やら不思議な文字らしきものが…。

レベッカ・ベルモア

後ろを振り返ってみると…。

よく見てみると、このプレートには「私は太陽を待つ」と書かれています。

作品の解説文にはこう書かれています(太字筆者)。

ベルモアは、カナダ先住民アニシナベの作家です。彼女の仕事はカナダの自然とその素材を使って大地に話しかけたり、失われた民族の言葉を求めたりするものが多く、時間と土地の深い結びつきを人に知らせるのです。ここでは車止めと建物の2か所にアニシナベ語と日本語で「私は太陽を待つ」と書かれたプレートがおかれ、それらが夏至の太陽の光を反射して重なりあいます。彼女はここで異なった世界のつながりを示そうとしたのです。

レベッカ・ベルモア | ファーレ立川アート

夏至の太陽の光を反射して重なる!?後ろのプレートにも気づかず、太陽光のギミックがあることも全く知りませんでした。ぜひ夏至の日にまた見に行きたいと思います。

ろうきん側から見た位置関係はこんな感じ↓。

シネマシティ裏を飛ぶ鳥

お次はシネマシティの入ってるビルの裏側にあるこちらの作品。

この位置はなかなか見つけづらいですね。って、ん…?

何も描かれていない?30年も風雨にさらされて、作品が消えちゃったんでしょうか。

解説にはこうあります(太字筆者)。

トレスは、生活の場で人が身近に感じている問題意識を拡大して公共の場にもちこみ、それによって人びとに日頃忘れられていることを思い起こさせたりする作品をつくってきました。「愛」や「希望」という一見あたりまえでありながら忘れがちな問題を扱ったりするのです。立川では、永遠の時の流れを、空をとぶ鳥の拡大した写真(看板)を通して伝えているのです。

フェリックス・ゴンザレス=トレス | ファーレ立川アート

鳥だ…!

マップのもらえる場所

ファーレ立川のアート作品のパンフレット(地図と作品解説)は以下の場所で無料配布されています。地図がないと見つけられない作品がたくさんありますので、ぜひもらってください。

  • 女性総合センター・アイム1階受付(中央図書館の下)
  • 立川髙島屋S.C.2階受付カウンター
  • オリオン書房ノルテ店
  • たましんRISURUホール(市民会館)1階ロビー

そのほかの配布場所やパンフレットの内容(PDF)はファーレ立川のホームページから見ることができますので、チェックしてみてください。

アートマップ | ファーレ立川アート

アートを鑑賞してみて

今回改めてアートを鑑賞してみて思ったことは、「意図して見つけづらい場所にいくつかの作品を配置しているのではないか」ということです。当たり前のように身近なパブリックアートですが、いざ興味を持って鑑賞しようとすると、新たにいくつも、何度も発見がある。そんなふうにファーレ立川の街区が設計されているように思いました。

ぜひマップ片手にアート鑑賞してみてください。