梅雨の晴れ間に、京王堀之内駅の近くから長池公園内の姿池に至る「せせらぎ緑道」をアジサイを見ながら歩き、さらに長池公園から多摩ニュータウンの別所地域を通り南大沢駅まで歩きました。
駅の南口へ出て、高台の住宅地へとエスカレーターで上がりましたが、エスカレーターに並んだ階段はガウディのグエル公園(スペイン)を想わせるような夢のある彫刻でできていました。
「せせらぎ緑道」
駅からしばらく歩き、「せせらぎ緑道」へ出ました。
「せせらぎ緑道」は長池公園内の姿池を水源として人工的に整備された水路・せせらぎの流れに沿って続く全長約1.4㎞の緑道です。整備された緑道には季節の花アジサイを初め、多くの樹木が植えられていました。水路は変化に富み、そこに沿って並ぶマンションの庭と一体化した憩いの場のように見えましたが、長池公園に近ずくと、その流れは樹木に覆われていて、自然な景色にと変わっていました。暑い日でしたが、川の流れの心地よさと水路の変化を愉しみながら歩くことが出来ました。
長池公園
「せせらぎ緑道」から続く長池公園に出ました。長池公園は多摩の里山風景を再現した約20haの公園です。
長池見附橋
姿池に架かる長池見附橋を渡ってみました。長池見附橋は大正2年(1913)に四ツ谷駅の真上に竣工したアーチ橋・四谷見附橋を平成5年(1993)に移築し、姿池の上に再建した橋です。今年のNHKの朝ドラ『虎に翼』のロケ地にもなりました。橋のたもとには移築できなかった資材が展示されています。
里山の自然
長池公園では、雑木林の中での散策、自然観察そして、田んぼや畑、炭焼き小屋などが再現された里山の自然のなかで稲作、畑作、炭焼きなどを体験することができます。 途中一休みした自然館では多摩ニュータウンが舞台となったジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこの背景画展」が開催されていました 。
長池と築池(つくいけ)
江戸時代までその起源をたどることのでき長池は、灌漑用のため池で、近代になって造られた築池とともに、長く下流の地域の田畑を潤していました。長池を囲む4haの地域は、昭和53年(1978)に環境省により指定された特定植物群落のハンノキ林があり、これを囲むコナラ林とともに、源流域の自然を保護する目的の特別保全ゾーンとなっています。この池には、浄瑠璃姫が討死した夫の後を追い身を投げたという伝説があるそうです。池の傍に、淡い紫色のホタルブクロの花が物静かに咲いていました。
南大沢駅に向かう
多摩ニュータウンの丘陵地を下り南大沢駅方面に向かいました。京王線を超え、南大沢八幡神社へ。神社の境内に樹齢約400年の御神木・オオツクバネガシがあります。このオオツクバネガシは、明治13年(1880)に火災により枯死したと思われていましたが、しばらくして再生したので、地元では、「不死身のアカガシ」として大切にされているようです。幹の中は空洞化していますが、しっかりと立つ大木は市の天然記念物に指定されています。
お詣りした後は東京都立大を右手に見ながら駅に向かいました。駅前には三井アウトレットパークのショッピングモールが拡がり、駅前の通路は途中目にした東京都立大学へと続いていました。多摩丘陵を歩いた一日の最後は、駅前のカフェでアイスコーヒーを頂きました。