雑木林に映える樹木=エゴノキ&人懐っこい野鳥=ヤマガラ

◎エゴノキとは❢
☆エゴノキは一科一属の樹木で雑木林や沢沿いなどでよく見られる落葉樹である。生長が早く花が美しいため、最近では公園樹として利用されるようになった。花も実も美しいので「森のシャンデリア」とも呼ばれている。「林内に映えるエゴノキ  写真…あきた森づくり活動リポートセンター」
名の由来は、果実をかじると「エゴイ・エゴ味」を感じることから名付けられたという。エゴノキの幹は、紫がかった褐色で多くの枝が出る。葉の特徴は5㎜前後の葉柄があり、先端は尖り小さく目立たない鋸歯(葉の周辺のギザギザ)がある。エゴノキは、地方名が多いのも特徴で「チシャノキ、ロクロギ、セッケンノキ」など昔から人々の生活と深い関係があった。
☆エゴノキの花
開花期は、5~6月に長い花柄の先に4~6個、長さ2~3㎝の白い可憐な花を咲かせる。木の全体が白く見えるほどびっしり花を吊り下げる。雄しべは多数あり黄色で、ガクは緑色で、5裂してサカズキ状である。         「清々しさを感じる花」
☆エゴノキの実
果実は楕円形で大きさは2㎝位、長い柄の先に垂れ下がって9~10月に熟す。果実には有毒なエゴサポニンという物質を含み、かつては麻酔効果を利用して魚とりに使った。秋に入り実が熟すと果皮が裂けて、褐色で硬く卵状の長さ1㎝前後の種子が顔を出す。

6~7月頃、エゴノキの枝先を観察すると、長さ2~3㎝の「花のツボミ」、「バナナ」のようなものができる。これは“エゴノネコアシ”と呼ばれている「虫こぶ=虫えい」でエゴノネコアシアブラムシが寄生して作ったもの。     「バナナの形に似ている虫えい…写真…多摩森林科学園」

◎野鳥ヤマガラとエゴノキの実❢
ヤマガラは雑食性の野鳥で昆虫や木の実などを食べるが、秋から冬にかけてはエゴノキの実を好んで食べる。ヤマガラは他の野鳥に比べ、人を怖がらないので比較的よく観察できエゴノキの実を割るしぐさを見ることができる。その様子は、クチバシで実を取りエゴノキの枝が水平な場所や、枝が二股の分かれ目の所に持って行く!そして、2本の足でしっかり押さえてクチバシで殻を突ついて割って中身を食べる。
この様子は、エゴノキの実が熟した秋の雑木林で突つく音やその様子を見ることができる。又、割った実を全て食べずに“貯食行動”と言って、冬場に備えて幹のウロ、木の根元などに隠しておく習性がある。このことは、エゴノキにとって実(種)を捲いてくれることになり有り難い行動である。

「好物のエゴノキの実を食べるヤマガラ 写真…あきた森づくり活動リポートセンター」                          

参考資料・写真
・多摩森林科学園
・あきた森づくり活動リポートセンター
・文一総合出版