畠山重忠〜父の畠山重能の危機・生き残り策と重忠の誕生〜

さいしょに

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に畠山重忠が登場しましたね。NHKご用達イケメン俳優の中川大志さんが演じています。彼は小学生の頃から朝ドラ「おひさま(2011)」でヒロイン・井上真央さんの兄の少年時代や大河ドラマ「平清盛(2012)」で源頼朝の少年時代役、大河ドラマ「真田丸(2016)」で豊臣秀頼役、朝ドラ「なつぞら(2019)」でヒロイン広瀬すずさんの夫を演じています。NHKの彼への期待の大きさが分かりますね。

13人とは

この大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の13人とは、頼朝の死後2代将軍頼家が若く力が入りすぎて暴走気味になっちゃうのですよね。そのとき困った家臣たちが13人の合議制で政治を動かそうと決めたことを示しているそうです。

面白い覚え方

この13人について、面白い覚え方があるのでお教えしましょう。
それは「ヒカワナニオほほはアミアミ」です。「氷川ナニオさんの頬は網々‥」という意味もない文なのですが。

 比企能員、
 梶原景時、
 和田義盛、
 中原親能、
 二階堂行政、
 大江広元、
 北条時政、
 北条義時、
 八田知家、
 安達盛長、
 三浦義澄、
 足立遠元、
 三善康信

「鎌倉殿の13人」のキャスト(配役)

13人いますね。氷川ナニオだけ覚えましょう(笑い)。これNHKのホームページにもあったので有名な覚え方のようですね。ついでに「鎌倉殿の13人」の13人のキャストもわかる範囲で書いていきましょう。

比企能員(よしかず=2代将軍・頼家の乳母父)佐藤二朗
梶原景時(侍所の所司、畠山重忠を讒訴)中村獅童
和田義盛(侍所の初代別当)横田栄司
中原親能(ちかよし=頼朝の側近、大江広元の兄)川島潤哉
二階堂行政(政所の官僚、大江広元を補佐)野仲イサオ
大江広元(政所の初代別当)栗原英雄

北条時政(頼家の外祖父)坂東彌十郎
北条義時(時政の子)小栗旬
八田知家(幕府宿老でいまだに謎が多い)市原隼人
安達盛長(頼朝の側近、頼家の宿老)野添義弘
三善康信(初代問注所の執事)小林隆
足立遠元(とおもと=公文所の寄人、足立氏の祖)大野泰広
三浦義澄(三浦党の惣領。三浦義村の父)佐藤B作

父・畠山重能の続き

さて前回のブログで書いたように大蔵合戦で勝利し藤原信頼(ふじわらの のぶより)・源義朝(みなもとの よしとも)父子と連携し武蔵国最有力武士となった畠山重能ですが良いことは続きませんでした。平治の乱が起きたのです。

父・畠山重能の危機

勝利 平治の乱 敗北
藤原信西(殺害) 院近臣 藤原信頼(処刑)
平清盛 (躍進) 武士 源義朝(謀殺)
平重盛 (躍進) 源義平(斬首)

平治の乱(1159年)で重能が頼りにしていた藤原信頼・源義朝が滅亡してしまいます。
→1162年、1163年の武蔵国稲毛荘(いなげのしょう)での年貢奪取事件
=武蔵国における畠山重能の政治的地位の失墜
武蔵国の支配権(知行国主…国司推薦権・国衙年貢取得権)を平清盛(たいらのきよもり)やその子息が確保
→平氏の支援で河越流(秩父重隆(ちちぶしげたか)の子孫)が復活
=河越重頼(かわごえしげより)<秩父重隆の孫・葛貫能隆(くずぬきよしたか)の嫡子>の国衙在庁最有力者化

父・畠山重能のサバイバル

平家家人への転身
→畠山重能・小山田有重(おやまだありしげ)兄弟は東国の平氏家人の代表格
=京都と武蔵を往来
秩父平氏嫡流(平姓秩父氏)の「再編成」と畠山重忠の誕生
重能は、三浦義明(みうらよしあき)の息女に加え、江戸重継(えどしげつぐ)の息女を妻とし、彼女との間に重忠が誕生する。江戸重継息女の前夫は平児玉(秩父)行俊(ひらこだまゆきとし)で平治の乱で戦死。彼女と行俊との間に生まれた蓬莱三郎経重(ほうらいさぶろうつねしげ=畠山重忠の兄)は平児玉氏に残る。

父・畠山重能のねらい

①畠山・江戸・平児玉氏の連携…荒川水運の共有、平氏権力下で復活した河越氏へのけん制
←平児玉氏(秩父氏)と畠山氏は荒川上流、江戸氏は荒川河口域が勢力圏

②三浦氏との関係を薄める
←三浦氏は河内源氏に近い
→畠山重忠の誕生(1164)は父・重能のサバイバル戦略の所産

やっと武士の鑑と言われた重忠が生まれました。次回は頼朝との出会いのお話しですね。