八王子・長池公園で第3回撮影会
多摩地域の各所から富士山が望めた9月7日、花ごよみプロジェクトメンバーのうち9人が参加して行った第3回花ごよみ撮影会のメイン舞台は、京王相模原線南大沢駅から南東の長池公園だ。案内役は原田義明さん(八王子市)。途中の植え込みの茶の木が実を膨らませていたり、サルスベリの鮮やかなピンク色の花びらが秋日和の日差しに映えていたりして長池公園の花たちが楚々と咲いていることを期待させた。
長池公園は、八王子市東南部にあり多摩丘陵の地形をそのまま生かした20haの自然公園だ。大栗川水系の水源池の一つであり、コナラやクヌギ、エゴノキなどの雑木林が深く、里山の色合いが濃かった。散策路には落ち葉が積み重なって足にやさしく、樹間に響き渡る野鳥のさえずりに身が躍った。トレッキング気分も満喫した。
薬草の実は野鳥も大好物
テイカカズラは、白い五弁を開き、ガマズミが柔らかい花びらを重ね、踊っているようだった。この季節に似合った濃い目の赤紫の花をつけたミソハギ、ヤブランも花と実を同居させていた。ヤマボウシは、本来6月ごろに開花するのだが、返り咲きが見られた。ヌスビトハギ、イノコズチといった「引っ付き虫」といわれる厄介者にも出会った。種が逆さとげになっており、ズボンに付いたら離れないのだ。人の滋養に効果があるヤブランもあった。咳の煎じ薬でもある。直径6~7mmの、紫黒色の実だ。野鳥のレンジャクも大好物だ。
秋の花は、全体的に小さい。そんな花々たちの上を見れば、秋の山野の味覚を代表するミツバアケビの実がいくつも下がっていた。キブシやコブシは、来季の準備である冬芽を出している。
この日、目にした50種以上の草と木を写真中心にこの欄でお届けします。
この日に確認した主な木と野草
木の部(21種) | ナツツバキ、チャノキ、ヤブツバキ(以上、ツバキ科)、アラカシ、シラカシ(以上、ブナ科)、ヤブガラシ(ブドウ科)、ハナゾノツクバネウツギ(スイカズラ科)、コブシ(モクレン科)、ヤマボウシ、ミズキ(以上、ミズキ科)、ナンテン(メギ科)、サルスベリ(ミソハギ科)、ヤブザクラ、(バラ科)、カツラ(カツラ科)、イヌシデ(カバノキ科)、ヤマモモ(ヤマモモ科)、キブシ(キブシ科)、マユミ(ニシキギ科)、テイカカズラ(キョウチクトウ科)、ガマズミ(ガマズミ科)、クサギ(クマツヅラ科) |
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野草の部(32種) | クズ、ヌスビトハギ、カワラケツメイ(以上、マメ科)、ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)、オオキンケイギク(八重)、ヤブタバコ、アズマヤマアザミ、コヤブタバコ、ヒヨドリバナ、トネアザミ、キバナガンクビソウ(以上、キク科)、イノコズチ(ヒユ科)、センニンソウ(キンポウゲ科)、ミズヒキ、イタドリ(以上、タデ科)、キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)、キツネノマゴ(キツネノマゴ科)、オオニシキソウ(トウダイグサ科)、ヒヨドリジョウゴ(ナス科)、ヤブラン(キジカクシ科)、イヌコウジュ、アキノタムラソウ(以上、シソ科)、シシガシラ(シシガシラ科)、フタリシズカ(センリョウ科)、ゲンノショウコウ(フウロソウ科)、ヤマホトトギス(ユリ科)、ツルニンジン(キキョウ科)、オミナエシ、オトコエシ(以上、スイカズラ科)、ミソハギ(ミソハギ科)、ワレモコウ、キンミズヒキ(以上、バラ科) |
次回の撮影会は、11月初めに予定している。
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多摩の花ごよみ
E-mail:tama.hanagoyomi@gmail.com