「STAY HOME」で「独楽吟」にチャレンジ!

こんにちは、sawaです。3回目のブログは、新型コロナウィルス感染拡大防止による自粛生活真っ只中となりました。「STAY HOME」で普段おざなりになっていた事などを、ちまちまとやっております。そこで思い出したのが「独楽吟」です。

『独楽吟』は幕末福井の国学者であり歌人の橘曙覧(たちばなのあけみ)により詠まれた和歌集で、「たのしみは」で始まり「・・・とき」で終わる形式で作られた52首の歌がおさめられています。
私が『独楽吟』に出会ったのは、高校の現代国語の教科書でした。読書についての論説文で賢人たちの読書についての言葉のひとつとして引用されていました。
「たのしみは そぞろよみゆく 書(ふみ)の中(うち)に 我と等しき 人をみし時」
ここでいう書とは書物の事だそうです。これが記憶に残っていたのは、国木田独歩の「武蔵野」の或る一節を読んだ時の気持ちと重なったからでした。

引用されていた一首はいかにも国学者らしいものですが、曙覧の歌の特徴は花鳥風月よりも日常生活に題材をとり、身近な言葉で詠んだことにあったようです。
例えば
「たのしみは 銭なくなりて わびをるに 人の来りて 銭くれし時」
「たのしみは とぼしきままに 人集め 酒飲め物を 食へといふ時」
など、生活感がありすぎて思わず笑ってしまうような歌もあります。

52首を読んでみて、「独楽吟」でいう「たのしみ」とは、愉快、嬉しい、知的好奇心を満たされたわくわく感、なつかしい、いとしい、しみじみする、ほっこりするなど様々な感情を表しているように感じました。それを「たのしみ」という言葉に託して表現していると思うのです。

そこで、日常の中のささやかな「たのしみ」を詠めばいいのだと背中を押され、私も「独楽吟」を作ることにチャレンジしてみました。
ありとあらゆる予定がキャンセルとなった今は、「ハレ」が全くない「ケ」の状態の日々といえます。夕方からの買い出しとウォーキング以外は、ちんまり過ごすという生活の中で普段は見過ごしてしまいそうな「たのしみ」を見つけてみました。
ともかく52首を目指したので、和歌的表現や文法については目をつぶってください。

今回の写真は、歌の題材となったものです。

4月なのに山間部には雪が降った日の翌朝に

昨年のクリスマスに買ってそのままになっていた1000ピースのジグソーパズル

6年越しのシクラメンが4月になって咲きました

ウォーキング中に出会った旅行気分にさせてくれる竹林

sawaの「独楽吟」ご笑覧ください
⇒  sawaの「独楽吟」2020 spring

「橘曙覧」「独楽吟」についてはこちらのホームページをどうぞ
⇒  福井市橘曙覧記念文学館